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造形教育

あさひこども園では、人的環境・物的環境を活かして、家庭や地域とつながった「造形教育」提供しています。

あさひこども園の造形教育について

あさひこども園では、特別な「造形教育」を行なっていません。日頃の子ども達の姿から様々な環境を準備します。ダンボールや空き箱、落ち葉や水や園庭の虫たちも、貴重な「素材」です。子ども達の興味関心を元に保育教諭がどれだけワクワクさせられるか?人的環境・物的環境を活かして、園だけでなく、家庭や地域とつながった「造形教育」提供しています。

2020年 全国造形教育研究大会

令和2年11月12〜13日に開催された「全国造形教育研究大会」において、当園が幼児教育の部の会場となりました。

参考リンク:全国造形教育連盟

全国大会のプレ大会が開催されました(R2/1/30)

令和2年1月30日 全国造形教育研究大会のプレ大会が開催されました。日本美術連盟理事長はじめ多くの来賓、参観の皆様にお越し頂きました。以下、皆様のコメントをご紹介いたします。

保育研究会 助言者コメントのご紹介(1)


何もいうことはない。素晴らしい保育。これまでの素材遊びをはじめとして、保育研修・研究をされて来られた事に、感謝致します。平成30年度に改定された保育・教育要領に基づいてちゃんと保育をしてらっしゃる。今日の保育は百点満点。0歳児からつながっている学びの連続性や、先生方が見守りながらアクティブラーニング…対話的で、主体的な、子供達の深い学びにつなげていこうという思いを、頭に入れて保育なさっている姿が、素敵だなぁと思って感動した。
 


乳幼児期の造形教育の意義とは…今回の改定で教育・保育要領に、健やかに伸び伸びと育つ、身近な人と心が通じ合う、身近なものと関わり合い感性が育つ、という3つの視点が取り込まれたが、これは画期的な出来事であった。従来は、3歳以上が幼児教育であったが、未満児時期があるから3歳児があるという、未満児時期も大切な教育の期間、ということが認識された。今回、それが保育の中で、しっかり活かされていて私たちの求めていた保育が、この園にあることに感動した。
 


以上児は、すべての指導案に10の姿が書かれていた。3つの柱「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」「学びに向かう力、人間性の基礎」…この3つの柱は、文科省が18歳までつなげているものであるので、幼児期における10の姿は「しなければならない」ものではなく「基礎」であることをしっかり押さえる。この姿を、小学校までつなげるために、この造形活動が有効である、と考えている。ある先生が「人の心を育むアートはハートである」と仰った。要録の第1章総則「人間の基礎を作る」と合致する。
 


3歳児で、段ボールの滑り台の上から、箱に乗って滑ろうとする子がいたが、先生が禁止をしないのがいいなぁと思った。隣のクラスで子どもから保育を手伝って、と言われた。猫を作って、キャットフードを食べさせてここから出るよ、と教えてくれた。そこで「そこからじゃなくてうんちの穴がないと出ないよね?」と言ったら3歳児が言うんです。「そっか、消化するからね」もう、驚きです。そうやって言葉で対話しながら、穴を開けることに試行錯誤しながら、色んなことを考えながら「いいこと考えた」って言うんです。この「いいこと考えた」と言うのが造形活動に一番多く登場する。そこには、子ども達のワクワクしたり、ドキドキしたりする、素敵な想いが込められている。その想いが、遊びの中から、新しい世界を創造する原動力となる…そう言う想いがそれぞれのお部屋に散りばめられていた。
 


幼児期の造形活動は子どもの尊厳や、かけがえなさを周囲に表すことができるもの。なぜならば一人一人が何の基準値もない、こうでなければならないと言うものがない、これもいいね、あれもいいねと言える世界が造形活動の世界。多くの先生方がしてくださっていた、自由に関わり遊び込む中で、環境と表すことを受け止めあう、自分がやっていることの意味を受け止めあう、大人を含めた仲間がいること。それこそが人が育つ力=生きる力を励ましているのではないか。そうやって受け止められていると言うことが人間関係を作ることで非常に重要。
 


私はレッジョエミリアが大好き。市民を作ると言う言葉がある。武雄市民という意味ではなく、社会の中で生きる人を育てると言う意味。人間性・相手の気持ちがわかる、相手を含めた仲間を作るがわかると言う心を育てる。造形活動の中で社会を生きると言うことを学んでいる。0~2歳児の生活の中で「生活を、生活で、生活へ」(倉橋 惣三)の言葉通りの造形活動ができていた。
 

保育研究会 助言者コメントのご紹介(2)


本当に素晴らしい保育、感動していい気持ちになる保育だった。参観された先生方はいいお土産を持って帰れると思う。目指していただきたい保育。日頃の保育ということであったが、私はもう立派な造形活動の公開保育であったと思う。手作り玩具が本当に素晴らしい。子ども達が見たい!触りたい!そんな行為や遊びができるような環境が整えてある。造形とは書いたり、作ったり、というものだけではない。
 


表現の意味の中には「見る」「さわる」「テクスチャ(表面・質感)を楽しむ、味わう」…色んな意味での造形と捉えて良い。低年齢ほど感覚に働きかけるものを造形として捉えられる。0歳児のペットボトルはあったかいし、色も綺麗、色んな感覚に子ども達が触れられる玩具。造形という言葉は保育者に「させなくちゃいけない」という意識を想起させるが、生活の中での「行為」「感覚」に働きかけることも造形として考えられる。
 


0歳児にティッシュの箱を与えると空になるまで遊ぶ…「快」の経験…肌に触れるなど、感覚的に心地よい快の経験を0歳児に積み重ねることで感性が育っていく。幼児教育の造形を考えると、毎日の生活と直結している。自発的行為、自発的な遊びの中にすでに造形が入っている。造形とは特筆されるものでもなく、日頃の生活の中で、子ども達はいっぱい造形遊びをやっている。そこを先生方が、いかに見取り、声をかけていくか?その兼ね合いが幼児教育における造形教育。生活の中に造形があるし、造形の中に遊びがある。子ども達がやってみたい、さわってみたい、みてみたいと感動するような感性の醸成をしていくことが幼児教育の造形。決して形に現れるものばかりではない。形に現れなくても心の中で豊かに醸成していく…それが幼児教育の造形の素晴らしさ。その積み重ねが小学校の図画工作のベースになる。
 


子どもが遊びを作るし、遊びを広げることを考えれば、今日は今回の大会テーマである「子どもがつくる子どもが主役の造形教育」それにぴったりの保育であったと思う。
 

参加者コメントのご紹介


園長先生が言われている、0歳からずっと繋がっている保育を、実際に見て学ばせていただきました!
 
0歳児。たくさんの初めましてを全力で楽しんで、全力で受け止めてもらえて、さらに先生方の素敵アイディアで、新たな「初めまして」に出会う環境をプレゼントしてもらえて、幸せが溢れる空間でした!


3歳児。自分のこれしたい!を思いっきり、自信たっぷりに、表現しているな~と思いました。丸い段ボール?を、「これ何?」と聞くと「段ボール?かな?硬いんだよ!スルスルしとる!硬いけん、乗っても壊れない!高くもなる!だから、大人が乗っても大丈夫だよ!乗る?」と、遊び込む中で、学んだ素材の特徴を、たくさん教えてくれ、日々楽しく、夢中になって遊んでいるんだろうな~と、微笑ましかったです。

5歳児。自分のイメージするものを、友達と協力したり、自らもくもくと表現していました!仲良くなった、年中の男の子達が、年長さんのお部屋についてきて、ある男の子が家?を作っている姿を、興味津々に見られていました!

年長の男の子は、屋根がうまくたたず、いろいろと考えていました。年下の子に、見ていたのもちょっとあり?こうしたら~ああしたら~と自分で考え抜きたい!ようでした。最終的に、年中さんはいなくなってから、ラップの箱?を立てて貼ると、段ボールの折り目が、ラップの箱に乗りうまく立つ!ということに気付き大発見!!!自分の中でも嬉しかったようで、「こがんしたらなった!!」と声にだして、周りの人たちに報告していました。発見はしたものの、1人では支えが難しく、先生にどんな風に手伝ってほしいか、を伝えて一緒に完成させていました。自分で考え抜く大発見! どうしたら出来るかな?助け合う…さすが年長さんだな~と。

0歳児からの繋がりのある保育の中で成長しているからこそ!の姿なんだろうな~と心がポカポカになりました。 先生方のかかわり、保育室の環境全てから子どもたちへの愛が伝わり、その中で過ごしているからこそ!子どもたちから嬉しい!楽しい!だいすき!ビームがたーーくさん伝わる1日でした。

大人でも、楽しそう!ドキドキわくわくがたくさん!だったので、嬉しい!楽しい!だいすき!を見つける天才の子どもたちは100倍幸せな日々なんだろうな~と思いました! そして、遊びすぎました。子ども達が楽しそうで仲間に入りたくて仕方ありませんでした。保育のお邪魔をしてしまい大変大変申し訳ありませんでした。

貴重な経験をプレゼントしてくださり、本当にありがとうございました。